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日本企業の強みだった高い技術水準の現場労働者の「暗黙知」による製品開発や品質管理の仕組みは、競争のグローバル化や熟練技術者の減少で限界に来ている。ITを活用して知識を共有するナレッジマネジメントをテコに、品質管理を全社的に広げる基盤を作ることが必要だ。

1.競争の激化で開発体制激変

日本企業の製品開発の現場でいくつかの共通した状況変化が顕著になってきている。
一つは、製品開発に要する期間が短縮化していることだ。これは近年の市場での競争が、新製品の投入頻度に大きく左右されることに起因する。例えば、米国内の自動車販売では、業界平均より1年短いサイクルで新車を投入しなければシェアが前年度比で年平均2%程度上がる、というデータがある。
こうした短縮化の流れに対応するため、製品開発の現場では、最近、技術部門が生産部門、部品や材料の調達部門、そして外部委託メーカーも含めて、並行的に製品開発を進める方式を採用するケースが増えている。従来のバトンタッチ方式の製品開発にありがちな「作業の出戻り」を未然に防ぐ効果があるからだ。しかし、設計や品質の管理責任が曖昧になったり、外部委託の管理方法の巧拙に差が出やすくなる欠点がある。結果として、製品の品質に影響を及ぼす可能性もある。
二つ目は、市況やグローバル化に呼応したコスト競争力を一層強化しようとしている点だ。材料費や海外生産諸国での人件費、工場用地などのコストが上昇、社会からの要請に応じて増えるさまざまな法規制への対応も新たな負担になる。BRICsなどの成長市場向けに低価格化対応を迫られ、収益確保には相当なコスト削減努力が求められる。
これに対し企業は、部品や材料の共用化やモジュール化を進め、従来以上に製品原価低減を図っている。また、製品開発の構想設計や開発のごく初期の「上流」工程で、新しい生産技術の導入や製品仕様の多面的な検討を行っている。製品開発の「下流」工程での改善活動では、大きなコスト削減の機会が望めなくなってきたからだ。
一方、これらの方法では、新技術や新工法導入のリスクを早期に予測、判断する高度な能力が求められる。習熟した技術者の力量による部分が少なくないといえる。

2.重要性が高まる部品の調達戦略

三つ目は、製品開発業務におけるデジタル化の進展である。現在の自動車メーカーの製品開発現場では、実物を使って行っていた各種テストのデジタル化が相当進み、多くの作業はコンピューター上でできるようになった。コンピューターを使った製品開発の進め方も各社で均一化してきている。このような製品開発の業務環境の汎用化、標準化の中で、技術開発力で他者と差別化を図るためには、従来以上に、それぞれの企業の技術者の質と量が重要になる。
一方、このような傾向が過度に強まると、本来、知識集約的であるべき製品開発の現場が、労働集約的な作業環境になってしまう恐れがある。実際、最近の自動車業界では、主要各社の派遣・請負の技術者も含めた技術者の総人口と自動車販売台数には一定の相関が認められる。
こうした製品開発の現場での状況変化の国際比較調査を見ると、次のような点が浮かび上がってきた。
第一に、業務のデジタル化に関して、ITを活用して社員が業務知識を共有するナレッジマネジメントの導入・利用状況で日本企業は主要国の中で最低水準で、ドイツや韓国などとの差が際立った。ただし、今後の日本企業はナレッジマネジメント導入の意向が他の主要国より強く、将来、一定水準までナレッジマネジメントの利用度が上がることが想定できる。
第二に、日本企業は、部品や資材の調達機能に関して問題視する傾向が強い。製品の開発期間の短縮化を図るため、長期的な部品・材料メーカーとの信頼関係づくりが今後欠かせない。コスト削減のためにも、中国をはじめとした世界中からの調達が増える。日本企業の調達戦略の重要性がより高まり、今後は製品開発における中核機能のひとつになると見られる。

3.長所生かしつつ技術教育見直せ

第三に、韓国の技術者教育に対する積極姿勢が突出し、コンピューター上でさまざまな技術教育を受けたり、情報が得られるeラーニングの導入について、対象国で最高水準だった。日本企業がほぼ世界に平均レベルだったのに対し、韓国企業は自動車やエレクトロニクスなどで高い成長を維持するため、将来の技術者確保に向け、相当の先行投資をしていることがうかがえる。
国内景気が回復するにつれ、熟練技術者の層の薄さが製品開発に携わる日本企業の現場の共通の問題として取りざたされている。日本企業の技術開発や製品開発は、擦り合せ型と称する技術統合を強みとしている。一方、これは熟練技術者の豊富な経験やノウハウによる部分が多くなり勝ちで、人的資源に限りがあるなかでは不利に働く可能性がある。
今後の日本企業の製品開発の進め方は、次の三つの点に留意する必要がある。
第一に、日本企業の製品開発の現場を、より知識集約型にすべく、ナレッジマネジメントの導入と利用の促進を加速すべきだ。今後は、海外の技術者への知識伝達も視野に入れ、一層のデジタル技術活用の試みが必要である。まず製品開発に必要な情報を利用者の目的別に階層化し、確実に効果の期待できる分野から着手して段階的に利用範囲を拡大していくべきだ。
第二に、製品開発で外部委託の比率が高まるなかで、全社的な視点で製品の品質管理の仕組みを見直す必要がある。商品の競争力向上のため、新技術の導入率が従来より高まる傾向がある。海外新興市場の市場拡大とともに。日本国内で開発した製品とは別の品質体系が必要となるケースも増え、品質管理の仕組み自体が複雑化している。
従来の品質管理を十分に徹底することが前提になるが、加えて、製品開発の初期の開発、設計段階での技術、生産、調達一体となった品質管理の仕組みが求められる。品質問題にありがちな過度な設計変更の抑制、外部委託から内製への適切な切り替え判断など、総合的な外部委託能力の向上を急ぐべきだ。
第三に、技術者教育と育成システムの一段の強化が必要である。企業内の技術者の質と量の不足は、言うまでもなく製品の品質に確実に影響が出る。暗黙のルールで仕事が進みがちな日本企業の製品開発の現場では、若年技術者の教育に時間がかかる。中途採用の技術者にも限界がある。海外の技術者も分かりづらい部分が少なくない。
一方で、このような日本的な人材育成の仕組みが日本の競争力の源でもある。このような長所、短所を踏まえ、韓国企業が、過去、人材教育システムに、相当、注力して高成長を維持してきた点を参考に、日本企業も本格的な技術者教育の見直しを早急にすべきだろう。大学、大学院との連携も視野に入れた技術者のプロフェッショナル教育の強化も強く望まれる。

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